純血のライカンスロープ:Baldur’s Gate#204

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前回からの続きです!

皆さんこんにちは。
ロマンスよりも意外な真相を期待している伊達あずさです。
さ~事の顛末も気になりますし、引き続き村の人に成果報告をしていきますよ!

純血のライカンスロープ:Baldur's Gate#204_挿絵1
んじゃ、手始めは男だけどジョリンさんから。
まぁ、ジョリンさんからは何の依頼も受けていませんでしたけど、色々忠告されたりしましたし、一応、カロウグ一党を倒した報告をしておこうかと思いまして。

ジョリン「敵を倒してもらって感謝している。借りができたな」

あれ、それだけですか。
でもまあ、短い言葉ながらもちゃんと感謝されると悪い気はしませんね。

純血のライカンスロープ:Baldur's Gate#204_挿絵2
お次は人形の回収を依頼されていたファージングさんです。

ファージング「人形だ、ありがとう!取り戻してくれて、嬉しい・・・噛み付かせて・・・いや・・・抱きつかせて欲しいんだけどね。じゃあね。バイバイ」

噛み付かれるのは困りますけど、別に抱きつくぐらいは問題ないのですけどね。いやまあ、それを言ったら、別に抱きついて欲しいというわけでもないので別に良いのですけど・・・

純血のライカンスロープ:Baldur's Gate#204_挿絵3
お次はタウロン・・・ではなく、タロウンさん。何か間違えちゃうのですよね。
タロウンさんからも特にこれと言ったお願いはされていませんけど、そこそこ苦労して倒したわけですし、ちょっとした戦勝報告ですよ。

タロウン「若者よ、一族に尽くした事を誇りに思うが良いだろう」

カロウグ一党が滅びたと分かった途端、村の方々の様子がかなり変わってきましたよね。
やっぱり、積年の不安から解放されて油断しちゃっているとかなのでしょうか。まぁ、気持ちは分からなくもありません。

純血のライカンスロープ:Baldur's Gate#204_挿絵4
更にお次はイヴァルトさんです。
イヴァルトさんにはあまり良い報告ができないので、ちょっと気が重いけども・・・

イヴァルト「恐れていた通りでした。しかし、彼の体を戻してくれてありがとう。借りをつくってしまいましたね」

あまり良くない報告だったにもかかわらず、イヴァルトさんはとても冷静でした。
もちろん、良い意味でですよ?何かこう、この村の方々ってとても理性的ですよね・・・この辺が本能に忠実だったカロウグ一党と相いれられなかった部分なのかもしれませんね。

純血のライカンスロープ:Baldur's Gate#204_挿絵5
最後はマーラリーさんです。
内心、状況が状況だけに生きたままの救出は不可能だろうと思われたマーラリーさんのお子さんでしたが、何と無事に保護できちゃったのですよね。この成果にはさぞマーラリーさんもお喜びになるはず。

マーラリー「私の息子、私の息子が!よかった本当に!友よ、本当にありがとう。このご恩は一生忘れはしません」

ま、まぁ・・・確かに喜んではいるみたいですけど、大分あっさりしてますね。というか、カロウグを倒した途端、全体的に対応があっさりしてきているような気がする・・・

純血のライカンスロープ:Baldur's Gate#204_挿絵6
さ~ではお楽しみのカイシャスさんです。

カイシャス・ガン「上手く・・・行きましたか?獣達は倒せましたか?」

あずさ「あそこで変なメイジに会った。孤独から気がおかしくなったみたいで。でも色々と言いたいことがあるようだったわ」

まずは、軽いジャブでも撃って牽制してみましょうか。

カイシャス・ガン「彼を信じるな!私達の仲間ではない!奴は獣のように正気を失っていて危険なのです」

可能な限り嘘にならないように言葉を選んでいますね。まぁ、嘘を吐いちゃうと一気に信用を失っちゃいますからね。

あずさ「彼は船が座礁したんじゃなくて、獣に襲われて、船員が死んだと言っていたわ」

カイシャス・ガン「ここに来た時は死臭の漂う場所だったけど、平和に生きてきた人々だけが生き残った。私達は居心地の悪い宿舟を離れ、新しい生活を始めたのよ。中には仲間に加わる事を拒み創立者を殺すと脅す者もあったわ」

あずさ「何もかも上手くいったわけね。お前は生き残り、この立派な家を建てた。これからも力になるわ」

カイシャス・ガン「そうしてください。この場所を離れなければ。住処ではあったが、これからは新しい森で暮らせるよう望んでいます」

・・・あれ?会話が終了しちゃった。
どうやらカイシャスさん達を疑うという道は用意されていないみたいですね。残念・・・

じゃあ、改めて・・・

あずさ「ああ。道は開けた。新しい船に案内してくれたらすぐにここを出よう」

カイシャス・ガン「それなら尚更ね。もう戦ったり、逃げたりする必要は無いわ。あなたはこれから私達の仲間になるのだから。物語を聞いて我々の仲間に加わって下さい」

あれ?ひょっとして、カイシャスさんの方から積極的に真実を話してくれる系?

カイシャス・ガン「彼らは私達のようになろうと願ってはいなかった。彼らは深く考えもせずに私達の祖先と戦った。その時のリーダーはバルダランだったのだけれど、彼がリーダーであったために両者とも多くが死んでしまった。多くを殺したために、祖先が沈みゆく船に彼を残したということしかわかっていません。彼は仲間ではなかった。その事を深く聞いてはいけない事になっているわ。我々は救世主を殺すような事はしない。目の前にいる人々の笑顔を見て下さいな。この者達と手をとって平和というものを知って下さい。目の前にいるこの素朴な人達が見えますか?今や彼らはあなた達の同胞。あの笑顔を見て下さい。手を取り合って、平和にやることです。わかりますわ。あの獣達はうっかりあなた達に加護を与えたようですね。だから、あなた達は我々の一員となることができたのです。私達の運命は、今やあなた達の運命でもある。そして、そのうちあなた達も我々のようになるでしょう。獣としてではなく。姿を変えて、案内しましょう。私達の主は私達自身。私達は人であり、獣でもありますが、どちらをも超えるものなのです」

え!?カロウグ一党との戦いで、私達もライカンスロピーに罹っちゃってるの!?

カイシャス・ガン「これで仲間ね。そんなに悪いものでもないわよ。しばらくの間・・・落ち着かないかもしれないけど・・・傷つくかもしれないけど、死にはしないわ。あなたの地図と私達の船を使って新しい森と平原のある所に行く事ができるの。それでは地図は私が預かることにしよう。あなたはオオカミ族に歓迎され、私達の仲間になるの。あなたが殺したのは悪意ある獣。我々は正しいライカンスロープ。平和を好む気高い種族だ」

あずさ「ライカンスロピー・・・を私にうつしただと?この!」

カイシャス・ガン「違うわ。私達はこの才能ある血筋を他の沢山の者と共有したいと思っている。あなたは歓迎されているのです。ここを去る手助けをしてくれる者は私達の仲間であり歓迎されるのです」

表面上は平和的で良い人風ですけど、これってサイレンの世界に登場する屍人達と全く同じ考え方なのですよね。
彼らも悪気があって人を襲っているわけではないのです。生者を屍人にすることで、自分達の幸せを分け与えようとしているだけなのです。

タイラス「否だ。カイシャス・ガンと他の者は私の味方だ!」

へ?急にカイシャスさんの隣にいたタイラスさんが話に割って入ってきましたよ?

カイシャス・ガン「黙ってタイラス。何を話しているの?」

タイラス「混血は歓迎されない!我々は昔から自分達の血を守ってきたのだ。この家畜どもは我々とは違う!我々に噛み付く者は全て殺す!奴らは我々の純血を汚すだけだ!」

あ~これはとても助かります。
こういった分かり易い態度で来てくれた方が、こちらも相対しやすいですし・・・

カイシャス・ガン「彼らが私達の救世主になるでしょう。タイラス、お前は脅迫されているのか?一体どういう事?」

タイラス「最高だな!奴らは汚れているし、我々とは違う!我々はいつまでも純血であり続ける。地図と船があれば我々は脱出できるが、奴らは出来ない!奴らの悪事を村の者達に話した!お前も私の言う事を聞け!」

カイシャス・ガン「タイラス、お前は守ってくれる者に背を向け、敵に味方するというのか?愚か者め!あずさ、任務からお前を解放することにしたわ。何が起こるかわからないから気を付けなさい。贈り物については後で決める事にするわ」

純血のライカンスロープ:Baldur's Gate#204_挿絵7
そう言ってカイシャスさんはこの場を去り、後には獣人化したタイラスと私達だけが取り残されることとなったわけですけど・・・え?これどういう状況?当然、獣化したタイラスごとき敵ではありませんでしたけど、状況が理解できなくなっちゃいましたね。
まぁ、次回に続きます。

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