投稿日:
皆さんこんにちは。
未だキクさんの他殺を疑うことができるような情報は一切つかめていない伊達あずさです。
綾城家の土蔵で遺体となって発見された完治さんは明らかな他殺ですけど、それとこれとは全く別の話ですからね。少なくとも、現段階では。
私の仕事はあくまでもキクさんの死に不審な点がないかどうかを調べる事なのですよ。
ただ、完治さんとキクさんの死に繋がりがあるのかどうかわからないが故に、完治さんの件についても調べざるを得ません。
っていうか、そもそもの依頼がかなり難儀過ぎるのですよ。
本当にキクさんが誰かに殺されていて、その証拠が見つかる・・・以外に完全解決の道がないのですから。
もし、キクさんが病死だった場合、どれだけ調べようと他殺を疑うような証拠は出てこないわけですが、その一方で、他殺ではないことを証明するような情報もまた出てこないのです。そうなるともう、依頼人が満足するまで調査を続けるという形でしかけりをつけることができなくなります。
確かに綾城家はお金持ちなのかもしれませんけど、私の依頼主は執事の善蔵さん個人です。仮に1日8時間程度の調査を行ったとして、それが半月も続けば調査費用は250万円近くになってしまいます。
善蔵さんは夜の11時、12時に綾城家の敷地内を見回るなどしているみたいですから、恐らく住み込みに近い業務形態で雇われているのでしょう。今の日本には住み込みの使用人という例がほとんどないので、どれくらいの給料なら妥当なのか、あたりがつけにくいですね・・・
そんなに儲かるのかなぁ・・・住み込みの執事って。まあ、労働時間は長そうだから、割がいいかどうかは別としても、手取りは多そうですね。
相変わらず空木先生は帰ってきません。
しかし、空木先生って何者なのでしょうね。警察の方から「いつもお世話になっています」などと言われるぐらいですから、そこそこ頻繁に警察の方と連絡を取り合っているのでしょう。
でも、漫画やアニメの世界じゃないんだから、一介の探偵と警察との間にそうそう接点などできないと思うのです。となると、空木先生は元警察関係者?そう考えるのが無難ですよね。
さてと・・・今日は熊田医院に行ってきます。何か熊田先生が私に話したいことがあるそうで・・・いえ、内容については私も全く見当がつきません。今更キクさんの死因について、先生の見解が変わるとも思えませんし・・・まあ、ここで考えていても仕方ありませんし、とりあえず行ってみますよ。
熊田医院にやってきました。
熊田「おお、君か、恐ろしいことになってしまったのう・・・」
先日はどうも・・・で、善蔵さんからお聞きしたのですが、私に何かお話があるそうで?
熊田「君が来る前に儂も検視に立ちあっとったんぢゃが・・・余程不意を突かれたんぢゃろか、見事に真正面からやられとった」
特に変わったところはなかったんですか?
熊田「いや、取り立てて何もなかったのう。解剖の結果を知らせてくれと一応頼んでおいたぞ」
そういえば、容疑者の第一候補は息子のアキラさんだそうです。
熊田「何?そうぢゃったか。そりゃあ被害者が油断したはずぢゃ。自分のせがれにやられるとはのう・・・」
うーん、わざわざ先生の方から話があると言ってきたにしては、これといって大した話ではありませんね。まさか善蔵さんの差し金?
どうしよう・・・話があると言うから来ただけで、私からは特に聞きたいことが無いな・・・あっ、そうだ。キクさんが先生からのご忠告で煙草を止めていたって本当ですか?
熊田「キクさんも昔はなかなかのヘビースモーカーぢゃったが、儂が注意してからはきっぱり止めておったぞ」
やはりキクさんの寝室にあった焦げ跡はキクさんが作った物ではなさそうです。
普通に考えればあの焦げ跡を作ったのはアキラさん・・・となりそうなものですけど、それだとちょっと腑に落ちないのですよね。
アキラさんが頻繁にキクさんと会っていたことは、綾城家の関係者ではない玄信住職すら知っていたほど有名な話だったわけですし、キクさんの寝室の畳にアキラさんが煙草の焦げ跡を作っちゃったとしても何ら不思議ではなく、特に隠すような事ではないはずです。
いや、何が言いたいのかと言うとですね・・・何ら不思議ではないことに対して、茜さんは何故ああも分かりやすく動揺するのかってことです。仮に茜さんがアキラさんから脅されていたとしても、アキラさんがキクさんの寝室に出入りしてることは隠し通せるものではないんですから、私に聞かれても、普通に答えちゃえばいいと思うのです。
そりゃ~茜さんが普段から挙動不審な人だというのであれば、別にそれも不思議な事ではなくなりますけど、そんな挙動不審な人を綾城家のようなお金持ちがお手伝いさんとして雇いますかねぇ・・・
周りの人からの話で「アキラさん=不良」みたいなイメージを植え付けられちゃいましたけど、幾ら不良っぽいからといって、必ずしも煙草を吸うとは限りませんからね。ひょっとすると、茜さんに口止めしているのはアキラさんじゃないのかも・・・
さてと・・・熊田先生からも大した話は聞けませんでしたし、これからどうしよう。特にこれといった用事はないけど、神楽寺で玄信さんとでも話してみる?
決して、伝説を聞くのが嫌いなわけではないんですけど、何度も同じ話を聞くのはあまり好きではありません。もちろん、私がまだ聞いた事のない伝説であれば是非お聞きしたいですけど・・・それはそうと、実は昨夜、綾城家の完治さんが殺されたんです。
玄信「な、なに!本当か!それで犯人はもう捕まったんじゃろうな?」
いえ、それはまだみたいです。
玄信さんが以前言ってたように、キクさんが蘇って完治さんを殺したのでしょうか?
玄信「あ、あんなものは迷信じゃ!村人が勝手に騒いどるだけじゃ!」
え?どうしたんですか。別に私もそんなことを本気で思っているわけではありませんけど、あの伝説の話をしてくださったのは玄信さんじゃないですか。
玄信「す、すまんが、今日はもう帰ってくれんか!」
玄信さんはそういってどこかへ行ってしまわれました。
一体どうしちゃったんだろう・・・
綾城家のお墓の前から玄信さんは居なくなりましたが、かといって、お墓を暴いてキクさんのご遺体がちゃんとあるのかどうか確かめるわけにもいきませんしねぇ・・・
丁度、話す相手も居なくなったことですし、今日の調査はここまでにしておきましょうか。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。