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皆さんこんにちは。
ようやく話が動き始めてたことに胸をなでおろしている伊達あずさです。
まあ・・・人が殺されて安心するというのも、かなり不謹慎な話ではあると思いますけど、今までがあまりにも何もなさ過ぎて・・・
今回は既に問題となっているものを解決するわけではなく、問題の有無を調査しなければならないわけですから、むしろ、何の問題もなく平和的に終わる可能性の方が高かったわけです。
それでも、決して安くはない調査費用を支払ってくれる依頼主に対して「問題ありませんでした」と報告するのは何となく罪悪感があると言いますか・・・そりゃもちろん、それでご満足いただけるのであれば、別に構わないのですけどね。
まあ・・・何かあってくれて良かったですよ。
では今日も綾城家にお邪魔したいと思います。まだ事件後に春日さんから話を聞けてませんからね。
・・・というわけで、少し、お話をお聞きしてもよろしいですか?
あずさ「今度は何なの?あなたが兄さんを殺した犯人を捕まえてくれるとでもいうの?フン、とんだお笑いだわ!」
いえ・・・私が依頼されたのはあくまでもキクさんの死に関する調査です。なので、完治さんを殺した犯人を捜すのは私の仕事ではありません。ただ、2人の死に何かしらの関係性があった場合は、間接的に完治さんの死についても調べることになってしまうかもしれませんね。
春日さんは完治さんが殺されたことについて、何か心当たりのようなものがあったりしますか?例えば、誰かに恨まれていたとか、あるいは脅されていたとか。
あずさ「兄さんが・・・一体どうなってるの!そんなこと、こっちが聞きたいくらいよ!」
そうですか。では、春日さんは昨日の11時頃、何処で何をなさってましたか?
あずさ「なによ。私がやったとでもいうの?ばかばかしい。そんなことあなたに答える必要ないわ!」
まあそうですね。あ、そうそう・・・善蔵さんから聞いたところによると、土蔵にあった骨董品の幾つかが無くなっているそうなのですけど、何か心当たりがあったりしますか?
あずさ「アキラが盗んだに決まってるわ!」
ほう・・・何故アキラさんが犯人だと?
あずさ「きっと、アキラが殺したのよ!泥棒のような真似をしているところを兄さんに見つかって・・・あいつならやりかねないわ!」
なんかちょっと妙ですよね。
少し前までは誰もアキラさんのことになど興味を持っていない様子だったのに、ここにきて突然、アキラさんが土蔵から骨董品を盗むような人間だなどという情報を皆がそろって口にするようになりました。
そんなに普段から評判が悪い人なのであれば、こうなる前からもう少しそういった話を聞けていても不思議じゃないと思うのですけどねぇ・・・
あずさ「もういいでしょ!疲れたから失礼するわ」
お兄さんが殺されるなどといった大変な時にも関わらず、お付き合い頂いて、ありがとうございました。
春日さんが去ってすぐ、居間の電話が鳴り始めました。
善蔵さん・・・は、今居ないみたいだし、茜さんの姿もありません。どうしよう・・・部外者である私が勝手に電話に出ちゃっても大丈夫なのでしょうか。
え~っと・・・あ、綾城です。今ちょうど電話に出られる方が誰も・・・あっ、私は空木探偵事務所の伊達と申します。
電話の相手「ああ、空木さんとこの・・・いつもお世話になってます。鑑識の結果をご報告しようとお電話をしたのですが・・・実はあの土蔵の鍵から・・・綾城アキラの指紋が検出されました」
まあ、そこまでは予想の範囲内です。でも、だからと言ってアキラさんが完治さんを殺した犯人ではないと思いますけどね。窃盗犯・・・ではあるのかもしれませんけど。
電話の相手「したがって、アキラを完治殺害の有力容疑者として、全国に指名手配することになりました。ただ・・・凶器のナイフからは誰の指紋も検出されなかったんです。解剖の結果についてはもうすこし時間がかかると思います」
ふむふむ・・・警察もアキラさんが完治さんを殺害した容疑者だとは断言しませんでしたね。おそらく警察も土蔵の鍵に指紋を残すような人物が、ナイフにだけは指紋を残さないなんておかしいと考えているのでしょう。
そりゃ~警察は捜査のプロ集団ですし、その程度の推理は当たり前と言えば当たり前なんですけど・・・こっち世界に限って言えば、存外当たり前とも言えないのですよ。
アキラさんが完治さんを殺すとすれば、土蔵で盗みを働いていたところを完治さんに発見され、口論の末に殺害・・・といった感じのシナリオになるのでしょうけど、その場合、ナイフにアキラさんの指紋がついていないのは変な話ですからね。
だって激情に任せてナイフを手にした人間が、冷静に手袋をはめたりします?盗みの有力な証拠になりうる土蔵の鍵には指紋がついていた点からも、アキラさんは普段から指紋を気にするようなタイプではないと推測できますからね。
もちろん、別の理由で偶然犯行時は手袋をしていたという可能性もゼロではありませんし、アキラさんが犯人ではないと断言もできませんけど。
そうこうしていると、善蔵さんが戻ってきました。
今ちょうど警察の方から電話があったんですけど、どちらへ行っておられたのですか?
善蔵「警察の方を熊田医院までご案内しておりました」
善蔵さんはアキラさんがどこにいるのかご存じですか?
善蔵「あれ以来、姿をお見掛けしておりません。以前はよくキク様の寝室に出入りされておられましたのに・・・」
やっぱりそうなのですか。いえ、今さっき警察の方から連絡がありまして、アキラさんが完治さん殺害の件で指名手配されることになったそうなのです。
善蔵「えっ!?アキラ様が指名手配に!そんな、まさか・・・」
そういえば、完治さんは昨晩どういった理由でこちらへ?
善蔵「いいえ。私もそれがどうにも不思議なのです。いついらっしゃったのか、しかも、あんなところで・・・?伊達様!やはりあの時間、土蔵にはちゃんと鍵がかかっておりました。間違いありません!」
となると・・・偶々綾城家にきていた完治さんが偶然、土蔵にいるアキラさんを発見したという線は消えそうですね。やっぱり、別のところで殺されてから土蔵に運び込まれたのかな。
善蔵「伊達様、熊田先生が何か、お話があるとおっしゃられてましたよ」
え?熊田先生が?一体私に何の用でしょうか・・・
わかりました。では後日お伺いしてみます。では今日はこの辺で・・・
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。