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皆さんこんにちは。
自分がした初めてのおつかいはどのような用件だったのだろうと急に気になり始めた伊達あずさです。
よほど印象的なことでもない限り、幼少期の事をほとんど覚えていないので、流石に思い出せませんねぇ・・・
でもまあ、逆に考えれば、私は初めてのおつかいを無難にこなしたからこそ記憶にないのでしょう。
・・・いやまてよ。自身の記憶に蓋をしたくなるほど、酷い目に遭ったから憶えていないという可能性も。
何れにしても思い出せないのですから仕方ありません。再開です。
2人での初めてのおつかいを終え、お家に帰ったところからです。
おじいさん達におつかいの成果を報告しましょう。
あずさ「途中で雪女見た・・・」
おじいさん「えっ?」
あずさ「やっつけた」
おじいさん「まあ、無事で何よりだ」
雪女をやっつけたというのは言い過ぎな気がしますけど、雪女が存在したこと自体は本当です。ちゃんと信じてもらえたのでしょうか。
まあ、おじいさん達は竹の中に入っていたり、お椀にお湯を入れて作った子供を躊躇なく育てちゃうぐらいですから、今更UMA程度では驚かないのかもしれません。そもそも、この世界で雪女をUMAと呼んでいいのかどうかも大分怪しいところです。
あずさ「雪女見た」
おばあさん「えっ!」
あずさ「でもやっつけた」
私では成果報告に限界を感じてきました・・・
あずさ「俺強かった」
蘭丸「偶然じゃない!」
ちっちっち。蘭丸さんはわかってないな~この世界に偶然なんてないのですよ。あるのは必然という名の進行フラグだけです。
ともかく、私の拙いコミュニケーション能力ではこの辺が限界です。
蘭丸さん、代わって。
蘭丸「おじいさんの頼んだ物がお店になかったの。後でいったいさんが届けてくれるわ」
おじいさん「そうかいそうかい、ご苦労だったね」
短文で的確な成果報告です。
???「まいどお~!」
おじいさん「おお、そういっとるうちにいったいさんがきたようじゃ」
いったいさん、仕事が早すぎます。こんなに直ぐ所望の品が手に入るのなら、準備が整うまでお店で待たせてもらえばよかったですね。私達の帰りが遅くならないように配慮してくれたのでしょうか。
いったい「お安い御用でおます」
おじいさん「景気はどうだい?」
いったい「龍のせいでさっぱりですわ」
おじいさん「龍?」
いったい「あれ?しりまへんか?」
いったい「その鬼がまた暴れもんで・・・どうも誰かを探しとるようなんやけど・・・町を壊したり、人の魂を吸い取って鬼を増やしたり、大変な騒ぎになってます。気を付けておくれやす。こっちにも向かってきてるみたいでっせ。噂ではここからもそう遠くない屏風岩にも砦を作っとると、言う事ですさかい」
おじいさん「それは困ったのう・・・」
いったい「ほな、品物はここへおいていきまっさ。おおきにい」
おじいさん「ごくろうじゃった」
いったいさんは見せ場の長台詞を無事終えると帰っていきました。
蘭丸「いったいさんの話を聞いてから胸騒ぎがする」
あずさ「おいらも」
俗にいうフラグ臭ってやつですね。
蘭丸「龍が来ないかな」
おじいさん「ここは大丈夫じゃ。あれは都の話じゃ」
でも鬼はきそうですよね。ここからその屏風岩というところまでどれくらいの距離があるのかはわかりませんが、いったいさんの話だと結構近そうです。
蘭丸「怖いわ」
おばあさん「いったいさんの話はいつも大げさじゃから・・・」
うーん、でもまあ確かに龍や鬼が相手では対策のしようもないですよね。
あずさ「都?」
おじいさん「ず~っと西の方じゃ。沢山人が住んどるのじゃ」
あずさ「ふ~ん・・・ねむ・・・」
おじいさん「今日は疲れたじゃろ。もうおやすみ」
真夜中になりました。
一度は布団に入ったのですが、どうにも胸騒ぎがして眠れません。どうやら蘭丸さんも同じだったらしく、2人とも起きてしまいました。
あずさ「龍・・・龍・・・」
蘭丸「あずさも龍の話で寝つけないのね」
あまりにも眠れないので起きてしまいましたが、眠気が来るのを待とうにも、真夜中ではやれることも限られてきます。
暇に任せて周囲に視線を送ると、囲炉裏のそばにおじいさんがしまい忘れた道具箱が置かれていました。
そこまで興味があったわけではないのですが、少しでも暇つぶしになればと道具箱を開けてみると、中からお椀と竹筒が出てきました。
あずさ「大事な物?」
蘭丸「多分ね」
金太郎「Hello, good evening」
蘭丸「きゃ~っ!泥棒!」
私達が謎のお椀と竹筒をぼんやり眺めていると、金太郎さんが何の前触れもなく家に上がり込んできました。
蘭丸「夜なのにサングラスしてる、きっと悪者よ!」
あずさ「がお~っ!」
警戒を厳にした私達をよそに、金太郎さんは私達がその竹筒とお椀から生まれたのだと言い出します。
ただし、それを英語にしちゃうとやや難しくなるとの配慮からか、説明は地の文で行われました。
蘭丸「うっそ~!私達はここの子供じゃないというの?」
金太郎「Yes」
そして、金太郎さんは真実を確かめたければ川上へ行ってみろと言ってきます。
こちらも、そのまま英語にしてしまうとやや難しくなるとの配慮からか、地の文でのみの説明となります。
それはそうと、ここの子供かどうか以前に、竹筒やお椀から生まれたということ自体に蘭丸さんはもっと驚いた方がいい!
まだまだ子供の私達ですが、それでも夜中にサングラスをして、他人の家に無断で上がり込んでくる非常識な人の言う事を鵜呑みにするほどではありません。そもそも、竹筒とお椀から生まれるだなんて荒唐無稽な話にもほどがあります。
・・・とはいえ、このまま眠くなるまで家でぼ~っとしていられるほどには大人でもなかったみたいです。
私と蘭丸さんは、敢えて金太郎さんの誘いに乗ってみることにしました。
川に着きました。真っ暗です。
川は穏やかで、水面には月影が揺らめいています。
あずさ「どうする」
蘭丸「どうしよう」
とりあえず川上に向かってみましょう。
川に沿って暫く北上するとやがて川上に着きました。
ちょっとわかりづらいかもしれませんけど、滝の裏側から光が透けて見えます。
あずさ「滝、滝」
蘭丸「滝の裏に何かありそうね」
ただ、滝の勢いが凄いのでこのまま突っ切るのは厳しそうです。
滝をせき止められればいいのですが・・・ちょっと上の方を確認してみる?
でもそれは次回!
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。