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皆さんこんにちは。
私が綾城家の全権を握ったら、八束町の権力者とかいう人を人知れず闇に葬ろうと思っている遠山・・・いえ、伊達あずさです。
町の権力者風情が刑事裁判の判決に圧力をかけたり、放火などという重犯罪をもみ消したりできるのですから、綾城家の力を使えば一族郎党残らずこの世から消し去ることだって可能なことでしょう!
まあ、本当は現実的にそんなこと不可能・・・というか絶対にあってはならない事だと思ってますけどね。
事務所に戻ってきました。
あゆみさん・・・やっぱり、私はユリさんの実子だったみたいです。
あゆみ「そうだったの・・・ユリさんがあなたのお母さんだったなんて・・・皮肉な話ね」
やはり神田さんは私がユリさんの実子だと知っていた可能性が高そうですね。でなければ、会った事もないはずの神田さんが私を指名した理由が説明できません。
後は・・・これです、事務所の棚に置いてあるこの人形!どうやらこれは私が事務所に持ち込んだものだったみたいです。
こうして実際に手に取ってみると・・・子供の頃が目に浮かんできます。
そして、この人形の中に綾城家後継者の印があるに違いない!
ほら、人形の中は空洞です!振ると中に何かあるような音がしますよ!
思い切って人形を開けると・・・中からは綾城家の家紋が入ったお守り袋が出てきました。
・・・あれ?でもなんか変だな。記憶を失う前から私は人形の中にこんなものが入っていたことを知りませんでした。でも、天地さんは私がお守りって譫言のように言っていたって言ってましたよね。おかしい・・・お守りの存在を知らないはずの私が、お守りだなんて譫言を言うはずないのに・・・まさか天地さんはこのお守りの在り処を聞き出すためにわざと嘘を言った?とすると天地さんの目的は・・・
お守り袋の中には古めかしい小さな鍵と丁寧に折りたたまれた紙きれが入っていました。
あずさ・・・あなたがこれを見つける時が何時か必ずやってくると母さんは思っていました。
今すぐこれを持って明神村の綾城という家を訪ねてみなさい。そこには今までと全く違ったあなたの人生が待っているの。
その家にはキクっていう名前のあなたのお婆ちゃんがいます。きっとあなたの力になってくれるわ。
でも・・・そのことがあなたにとって幸せな事なのかどうか母さんには分からない・・・でもこれはあなたの運命なの。そして、あなたの一度きりの人生だから、最後は・・・自分で決めなさい。
母さんの命は、もう長くないでしょう。あなたと一緒に居てあげられない母さんを許して頂戴・・・
そんな母さんがあなたに遺してあげられるたったひとつのものです。
―ユリ―
筆跡が非常に弱々しく、息を引き取る間際に書かれたもののようです。
どうやらこのお守り自体が後継者の印というわけではないみたいですね。では取りに行かねばなりませんね。綾城家後継者の印を!
では、ちょっと行ってきますね。綾城家に!
以前は妙に感じていたその善蔵さんのセリフ・・・今では逆にしっくりきますね。
善蔵さん、このお守り袋に見覚えはありませんか?
善蔵「やはり何のことやら見当もつきません」
これはユリさんが屋敷を出て行く際にキクさんが持たせたものだったのですよ。
善蔵「では、そのお守り袋が後継者の印だと・・・?」
いえ、後継者の印は綾城家の敷地内にあるはずです。
善蔵「ええっ!?」
この鍵がそのお守り袋の中に入っていました。
善蔵「私にはちょっと・・・わかりかねますが」
思い出してみて下さい。綾城家の中には善蔵さんすら開けたことのない扉がありましたよね?
善蔵「!それは土蔵の奥の扉の鍵なのですか!後継者の印は、そこにあると!」
御明察です!では早速、土蔵をあけてもらえますか?
善蔵「わかりました!参りましょう!」
というわけで土蔵再びです。ここに来るのは完治さんが亡くなられた時以来ですね。
私が奥の扉にかけられていた錠前に例の鍵を差し込むと、鈍い音と共に錠前が外れました。
善蔵「伊達様!私はここで待っております。くれぐれも気を付けてくださいませ」
え!?一緒に来てくれないの!?
鍵がかかっていたわけですから、中は安全だと思いますけど・・・ちょっと心細いな。でもわかりました。じゃあ、善蔵さんはそこで待っていてください。
中は・・・真っ暗じゃん!!明かりを持ってくるんだった!
でも、何もダンジョンってわけじゃないんだから、どこかに明かりをつけるスイッチぐらいあるはず・・・って、思ったんだけど、ここに入る前、善蔵さんが懐中電灯を貸してくれたんだった。私って記憶喪失ではなく健忘症だったの!?
よしと・・・これで視界は確保できました。
しかし、さっきはダンジョンじゃないとか言いましたけど、そこそこ複雑そうな感じがしますね。
とりあえず、正面が北・・・ということにして地図を描きましょう。な~に、私はマッパー歴だって長いのです!
ざっと中を歩いてみた感じでは、こんな感じの造りになってますね。
1と書いた壁には馬の絵が描かれています。
2と書いた壁には兎の絵が。
3と書いた壁には鼠の絵。
そして、4と書いた壁には鳥の絵が描かれていました。
えっと、”馬進み、兎進みて、鳥開く、卍の中の印望まん”でしたっけ?
これで、例の絵の壁に向かってこの順番で何かしなければならないということまでは理解できるのですが、何をすればいいのでしょうね。
一先ず、馬の絵がある壁の前へ。
調べてみても特に何も見つかりませんね・・・まてよ、馬進む・・・か、壁に向かって進んでみろってこと?
ん?この壁・・・少し動いたような?
お次は兎の絵が描いてある壁です。
ここでも同じように壁に向かって進んでみると、少し壁が動いたような気がします。
最後は鳥の絵が描かれた壁です。
ここは開く・・・になってるけど、特に開けそうなものはありませんね。同じように進むと壁が開くと言う意味でしょうか?
本当に壁が開きました!
どうやら中央部分のスペースに部屋があったみたいですね。
この小さな部屋の隅には神棚が祭ってあります。そして、その神棚の上には黄金に輝く印がありました。その印のそばには丁寧に折りたたまれた紙が添えられています。
紙きれには「この印を持つ者を綾城家の正当なる後継者とみなす」と書かれていました。
どうやらこれが後継者の印みたいです。
これで名目的にも法的にも私が綾城家の正当なる後継者となったわけですが・・・(次回に続く)
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。