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皆さんこんにちは。
何故か突然かつ丼が食べたくなってしまった伊達あずさです。
今までかつ丼を食べたいだなんて思った事はただの一度も無かったんですけどね・・・だって、折角、サクサクに揚げたとんかつをわざわざぐにょぐにょにするなんてもったいないじゃないですか。
そう思い続けて今まで生きてきたはずなのですが・・・どうしちゃったのでしょうね、私。
かつ丼を主食としているのは、犯行を自供する気になった犯人であって、それを捕まえたり見付け出したりする探偵の主食ではないはずなのですけどねぇ・・・あゆみさんもそう思いますよね?
まあ、かつ丼は材料を帰りにでも買ってくるとして、今日は綾城家に行ってキクさんがもし生存していた場合、今後の調査をどうするのかについて、依頼主である善蔵さんと話し合って来ますね。
車が無いので、何時もの様に電車と徒歩で綾城家に向かいます。
駅員「あっ!そうそう、ユリさんかどうかはわかりませんが、上品なご夫人がたった今綾城家の方に行かれましたよ」
え?情報提供ありがとうございます。
今、綾城家の方に行こうと思っていたところだったので、丁度良かったですね。
綾城家に着きました。
茜さんが出迎えてくれるなんて珍しいこともあるものですね。
茜「伊達様。香様がお見えですが」
え?香さんってどなたですか?
茜「完治様の事をお聞きになって、嘆き悲しまれていらっしゃる香様がお気の毒で・・・」
ひょっとして、完治さんの奥様とかですか?
茜「私・・・これから出かけるところなんです。申し訳ありません」
こ、これ見よがしに避けられてますね。
せめて、香さんが誰なのかぐらい教えてくれてもいいじゃないですか!それは職務放棄に相当するんじゃないの!?
茜さんが完全に職務を放棄してしまったため、勝手に居間まで上がり込みます。
そこには悲しみに打ちひしがれた完治の妻、綾城香の姿がありました・・・って、なんで私、香さんが完治さんの奥様だと突然確信したのでしょうね。自分でも良くわからないけど分かったんですよ!
これはあくまでも私の推測に過ぎませんが、恐らく説明書にそう書かれていたからだと思います。
香さんは有名なファッションデザイナーらしく、たった今パリから帰国して、夫の死を知ったみたいです。
えーっと、私、空木探偵事務所の伊達と申します。
この度は何と言っていいか・・・お悔やみ申し上げます。
香「仕事一筋の主人は家庭を顧みない夫だったかもしれません。でも・・・こんなことになるなんて・・・」
警察は完治さんを殺した犯人としてアキラさんを探しています。香さんはアキラさんの居場所について、何か心当たりはありませんか?
香「アキラじゃありません!あの子にこんな恐ろしいことはできないわ!アキラは犯人なんかじゃない!」
まあ、実を言うと私もアキラさんが犯人ではないと考えているのですけどね。
香「そ、そうだわ!あなた確か探偵さんだったわね、アキラを探して頂戴!私にはもうアキラしかいないの!ねえ!お願い!!」
正規のご依頼であれば、もちろん、お引き受けいたしますけど・・・
その辺が非常に曖昧だったので、明確には返事をしないでおきました。
さてと・・・香さんからはこれ以上、大した話を聞けそうにないし、当初の予定通り、善蔵さんを探しましょう。
善蔵さんはキクさんの寝室にいました。
善蔵「伊達様、あれ以来気になって煙草入れを探しているのですが・・・」
見つからないのですか?
善蔵「どうしても見つかりません。やはりアキラ様がどこかへ持って行かれたのでしょうか?」
正直な話、アキラさんにとって用がありそうなのは煙草入れの中にある土蔵の鍵だけだと思うのですよね。にもかかわらず、何でまた煙草入れごと持ち去ったのでしょうか。何か変ですよね。
善蔵「茜にも聞いてみたのですが、知らないようです」
でも、茜さんって確実に何か隠してますよね。
善蔵「キク様が亡くなってからというもの、何か落ち着かない様子です。まるで無口になってしまって・・・先ほどどこかへ出かけたようですが」
え?茜さんは善蔵さんに行き先も告げず出かけてしまったんですか?業務時間中なのに?それは流石に注意した方が良くないですか?
善蔵「本当にアキラ様が犯人なのでしょうか・・・香様の姿を見るのが私・・・辛ろうございます」
土蔵の鍵を持ち出した犯人の可能性は高いと思ってますけど、完治さんを殺した犯人ではないと思うのですよね・・・
それはそうと、亡くなったキクさんが墓から出てきたところを目撃した村人がいるらしいのです。もし、キクさんが生きていた場合、今回の依頼ってどうします?
善蔵「今にして思えば、何故キク様のご遺体をもっと熊田先生に調べて頂かなかったのかと悔やまれます」
もし生きていたのに埋葬しちゃったんだとすれば一大事ですもんね。でも、「詳しく調べてください」だなんてわざわざこちらからお願いしなくとも、ちゃんと調べるのがお医者さんの仕事だと私は思いますけど・・・
善蔵「キク様のことといい、今回の完治様にいたしましても、あまりにも不自然なところが多すぎるように思えてなりません」
そりゃ~完治さんについては間違いなく他殺なのですから、不自然なのは仕方ありませんが、キクさんの死に不自然さを感じていたのって、実は善蔵さんだけなのですよ。今でこそ死んだはずのキクさんがお墓から這い出してきただなんて情報が出て来たので、大分不自然になりましたけど、それがなければ私も全く不自然ではないと思ってましたもん。
まあとりあえず、村人が見たというキクさんを調べてみる方向で調査を進めてみますね。
私が綾城家を後にしようとしていると、居間にいた香さんから声を掛けられました。
香「あっ!そ、そうだわ。ねえ、探偵さん!これを・・・これを見て頂戴!」
ん?これはなんですか?
香「これはアキラの写真です。かなり前に撮ったものなのでちょっと感じが違ってますが・・・」
私もアキラさんのことは話に聞いていただけで、実際会ったことは無かったのでとても助かります。
この写真があれば、アキラさんを探す際にきっと役に立ちます。
香「どうかこれで・・・お願いします!ううっ・・・」
香さんからアキラさんの捜索について、正式に依頼はしてもらえなかったものの、アキラさんの捜索もキクさんの死因を調べるという元々の依頼の一環として扱ってもらえそうなので、まあ、よしとしましょう。
私にアキラさんの写真を渡すと、香さんは疲れた様子でどこかに行ってしまいました。
それにしても、この写真に写っている人・・・どこかで見た事あるような・・・
居間に一人取り残された私がそんなことを考えていると、突然、綾城家の電話が鳴り始めます。ま~た、善蔵さんも茜さんもいないよ!
しかたないなぁ・・・え~もしもし・・・あ、綾城です。
あゆみ「あっ、その声はあずさくんね」
なんだ、あゆみさんですか。
あゆみ「見つかったわよ、例の骨董品!隣町の骨董品屋に綾城家の家紋の入った壺があったの。お店の人の話だとね・・・22、3歳くらいの男から買い取った物だと言ってたわ。それともう一つあるの。キクさんが死ぬ少し前にね・・・アキラを乗せた車を見かけたというアキラの友達の証言があったの。運転していたのは40歳ぐらいの男の人だったということよ」
40歳ぐらいですか・・・二郎さんも確かそれくらいでしたよね・・・
ますます「犯人っぽい人が犯人」という探偵的にはつまらない流れになってきてしまいました。
でも、そんな単純な話なのかなぁ・・・蘇ったキクさんの件も未解決なままだし。
まあ、今日の調査はここまでにしておきましょう。
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。