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皆さんこんにちは。
なんだかとってもお腹が空いている伊達あずさです。
ふむ・・・調査を再開する前に腹ごしらえしたいところですね。そうだ、ミックスオレでも飲もう。
あゆみ「お帰りなさい、あずさくん。とうとう殺人事件が起きてしまったわね。社長の完治が死んだことで遂に専務の二郎が綾城商事の実権を手に入れたようね。その二郎だけど、早くも仕事に戻って今では自分の都合のいいように会社の組織を整理し始めたらしいわよ。今まで会長のキクや完治の影にいた二郎はここにきてまたとない機会を得た、というわけね」
事務所に戻った私が牛乳不足で濃ゆくなってしまったどろどろのミックスオレを飲んでいると、あゆみさんが声をかけてきました。
それにしても、わざわざこんな話を私にするってことは、あゆみさんは二郎さんが完治さん殺しの犯人だと思っているのですか?
確かにキクさんや完治さんがいなくなれば、二郎さんは綾城商事の実権を握ることができるかもしれません。でも、それってあまりにあからさますぎませんか?これだけ分かりやすく得をしてしまっては、警察だって二郎さんを疑わざるを得ませんよ。
ただまあ・・・すべての事件が秘密のベールに包まれているというわけではありませんからね。「一番怪しい人が犯人」というケースが実際はほとんどなのでしょう。
キクさんが亡くなったことで、歯止めの利かなくなった完治さんが、ライバルとなる二郎さんの発言力を削ごうと画策。追い詰められた二郎さんは完治さん殺害という強硬手段に・・・ありそうな話ではあります。
でもそれだと私が困るのですよ!だってそれじゃ、キクさんの件とは完全に別件ってことになっちゃいます。
さてこれからどうしようか・・・
これまでの調査から、土蔵の中に収納されていた骨董品を持ち出すため、キクさんの寝室にあった煙草入れからアキラさんが鍵を拝借したことはほぼ間違いなさそうです。状況的にみて、完治さんを殺した犯人はアキラさんじゃないと思ってますけど、善蔵さんよりも先に完治さんの遺体を見ている可能性はありますし、骨董品を持ち出した後、誰かに鍵を奪われている可能性もあります。可能であれば、アキラさんからお話を聞きたいところですね。
ただ、アキラさんは警察から指名手配されちゃってるのですよね。
幾ら空木先生が警察に顔が利くと言っても、部外者である私が拘留中の容疑者と面会させてもらえるほどは利かないと思うのです。つまり、アキラさんが警察に身柄を確保されてしまうと、ほぼ話を聞くチャンスが無くなってしまうのです。
何としてでも警察より早くアキラさんを捜し出さなくては・・・
そういえば、遺言公開の日にアキラさんが綾城家で誰かと会っていたと春日さんが言ってたのですよね。その相手が誰か分かれば、その人からアキラさんの居場所を聞き出せるかも・・・
あゆみ「分かったわ!アキラのことは私に任せて頂戴!アキラが本当に骨董品を盗んだなら、どこかへ売り飛ばしているかもね。あなたは一度、綾城商事へ行って、二郎にもっと話を聞いてみる必要があるんじゃない?」
綾城商事へですか・・・二郎さんには大分警戒されちゃってるみたいですし、急に押しかけてたところで会ってもらえるでしょうか。
ただ、幸いにして警察はアキラさんをマークしていますし、私もアキラさんを疑っている体で話を進めれば、二郎さんも油断して余計なことを喋ってくれるかな?
あゆみ「それと、ひとつ気が付いたんだけど、あずさくんが半袖のシャツを着てるところって初めて見たわ」
た、確かに・・・私は昔から外だと夏でも袖の長い服しか着ませんからね。よくご存じで。でも何故今それを?
とりあえず、綾城商事に行ってみますね。
綾城商事のロビーに着きました。
着いたはいいけど・・・果たして二郎さんは私などとアポなしで会ってくれるでしょうか。
ロビーから二郎さんを呼んでみるも、急な来客には応じてくれないらしいです。でしょうね・・・
ここまできて手ぶらで帰るのもなぁ・・・と思っていたところに、綾城商事の社員らしき人が通りかかりました。
あの~すみません。実は私、綾城家からの依頼で元会長の綾城キクさん、および、元社長の綾城完治さんの件を調査している者なのですが・・・もしよろしければ、少しお話をお伺いしてもよろしいでしょうか。
社員「はい。何か・・・」
ありがとうございます。では早速・・・
元会長の綾城キクさんは会社ではどのような方だったのですか?
社員「立派な会長でしたよ。尊敬しておりましたのに・・・」
会長に続いて、社長まで亡くなられて会社は大変でしょうね。
社員「本当にお気の毒なことでした。やっと新しい計画のめどがついたところでしたのに・・・」
今会社はどのような状態なのですか?
社員「会長と社長が亡くなられて、専務をはじめとする役員達の手で運営されています」
なるほど・・・専務の二郎さんはどのような方ですか?
社員「社長とは正反対の内に強さを秘めた方です。それにとても冷静な方でして・・・社長が亡くなられた時でも、ほとんど狼狽えた様子は感じられませんでした」
そうですか。なるほどなるほど・・・
ちなみに・・・社長である完治さんと専務の二郎さんは会社内で対立していたという事ですが・・・
社員「ちょっと!妙なことを言わないで下さいよ!そんな質問に答えられるわけないでしょう!すみません。お客さんを待たせてますので、もうこれくらいで勘弁してください」
あっ、はい。ありがとうございました。
社員さんも行ってしまったし、二郎さんには会えないし・・・困ったな。
ロビーにいた客A「・・・しかし、なんです、ここの専務も危ないところでしたね」
ロビーにいた客B「全くですな。あの社長の計画がもし実現しておれば・・・今頃は専務としての立場すら危うかったでしょうな。正直なところ犯人には・・・感謝してるんじゃないでしょうかね」
ロビーにいた客A「しっ!誰かに聞かれますよ!」
偶然、ロビーで話をしていた人達の会話が耳に入ってしまいました。
実現すると専務である二郎さんの立場が怪しくなるような事業計画って何なのでしょうね。確かその事業計画ってキクさんは反対していたはず・・・どんな事業計画なのか凄く気になるなぁ・・・
とか言っている内に、先ほど話を聞かせてくれた社員さんがお客さんとの商談を終えたみたいです。もう一回捕まえてみる?
社員「あなたまだいらっしゃったんですか?今仕事中なんですけどね・・・」
まあまあ、そう固いことを言わず・・・
社員「さっき話したじゃないですか。すぐにこの書類をもって専務のところへ行かなきゃならないんですから」
ちょっとだけ!ちょっとだけでいいんです。噂話のようなもので結構ですから。
社員「ちょっと!止めてくださいよ!専務の耳に入りでもしたら・・・あっ!専務!おはようございます!」
偶然にも二郎さんがロビーを通りかかりました。
社員「専務!こちらが申しておりました書類でございます」
二郎「ああ、その書類は私の机まで持って行ってくれ」
社員「かしこまりました」
そのまま社員さんは行ってしまいました。
社員さんには振られてしまいましたが、その代わりに二郎さんを捕まえることができました。
ただ・・・話を聞くのは次回!
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。
ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。