ラスト・ワールドを観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは。伊達あずさです。
毎回悩む悩むと言いつつも、毎週続いていたこの映画考察のコーナー。
何と今回で10回目です!

いや~案外なんとかなるもんですね!
そんな栄えある10回目に私が考察する映画は・・・
ラスト・ワールド(The Philosophers)」です!

いつものように作品情報から。

ラスト・ワールド
原題:The Philosophers
ジャンル:SFドラマ
製作国:アメリカ、インドネシア
公開年:2013年
監督:ジョン・ハドルズ

概要:卒業を間近に控えた20人の生徒達は、所属するクラスの最後の授業で「哲学の思考実験課題」に挑むことになった。それは「核による人類の滅亡を回避する」と言うもの。核による災害から逃れるべく安全な地下シェルターへ避難し、災害が収束した1年後にシェルターから脱出して人類の再生を試みなければならない。しかし、地下シェルターに非難することが出来る人数は最大で10人。今ここには生徒、先生を含め21人居る。生徒と先生にはそれぞれ架空の人物設定(職業や身体的特徴や嗜好)などが与えられている。生徒たちは論理的な思考に基いてシェルターへ非難させるべき10人を選出しなければならない。

といった感じの映画です。
私こういう感じの映画って実は好きなんですよ。
なんて言うんでしょう。シチュエーションスリラー的な?
どうすることも出来ないような理不尽なシチュエーションに陥った人々の苦悩を描くタイプの映画って好きなんですよね。
なので、そういう類の映画と期待して期待して借りてみました。
さて、そんな「ラスト・ワールド」に対する私のおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★★

が~ん!!
何と「★★」です・・・
実はですね・・・パッケージを見て想像するような展開を期待すると酷い目にあいます。
でも、私個人としてはこの映画結構好きかもしれません。
例えるならば、誰もが臭いという匂いの中に、偶然「あ・・・あれ?確かに臭いんだけど、あまり苦痛じゃないかも?」っていう匂いに遭遇した的な?
どう考えてもあまり面白く無い映画だとは思うんですが、ピンポイントで私は嫌いじゃない映画でした。
とはいえ、明らかに他人にお薦めしがたい映画ではあるので「★★」です。
(個人的には★★★★ぐらいなんですけどね・・・)

といったわけで、早速考察に移りましょう!

ここからはネタバレを含みますので、これから見る予定がある人は「ラスト・ワールド」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

ジェームズ:有機栽培農家
ペトラ:構造技術者
名称不明:不動産業者
チップス:大工
名称不明:オペラ歌手
プラム:投資信託業者
ラッセル:ハープ奏者
名称不明:宇宙飛行士
ジャック:化学博士
アンディ:電気技術者
ミッツィ:ワインの競売人
ジョルジーナ:整形外科医
ネルソン:家事労働者
ベアトリス:デザイナー
パーカー:ジェラート店主
ビビアン:動物学者
ポピー:心理療法士
ボニー:兵士
オモセデ:アメリカ上院議員
トビー:詩人
先生(エリック):シェルター設計者

考察・感想(ネタバレ含む)

ちなみに敢えてあらすじから外したのですが・・・パッケージのあらすじには、「仮想終末世界での討論が繰り広げられる状況で、仮想と現実の境界線がはっきりしなくなり、やがて生死を左右する戦いへと発展していく」みたいな感じことが書いてあります。
何となくそう言われると、バトル・ロワイアル的な生徒同士の殺し合いについて描かれていそうな作品に感じてしまいます。
が!
一切そういうことはありません!むしろ、実際には人一人死にません!この映画では!

さて、そんな「ラスト・ワールド」は生徒たちの議論内容を仮想空間の映像として表現しています。
あらすじでも書いたように、人類滅亡を回避すべく、生き残るべき10人を選択するというのが皆に課せられた課題なのです。

この思考実験は計3回行われます。

1回目の思考実験

選ばれた生き残るべき人(理由)
  1. 整形外科医(骨折なども治療できる)
  2. 大工(復旧時に建物を建設できる)
  3. 電気技術者(機器の修理に必要)
  4. 上院議員(法律にも詳しいしリーダーになれる)
  5. 有機栽培農家(食料の生産は生存に直結するため)
  6. 化学博士(化学の知識はいろいろな方面で大いに役立つ)
  7. 心理療法士(心に傷を追うことになるから必要)
  8. 構造技術者(家や橋やダムを再建築できる)
  9. 兵士(平和の維持に必要)
  10. 先生(謎の存在のため特別なスキルを持っている可能性があるから)

1回目の思考実験で生徒たちは、それぞれが持っている技能に着目し、人類再生に必要か必要ではないかを選定しました。
しかし、選んだ直後、先生が選ばれなかった人々を銃で撃ち殺したため、生き残る側に選ばれた9人の反感を買ったため、地下シェルターに入れてもらえず、9人で1年間避難生活を送ることになります。
しかし、先生しか地下シェルターからの脱出コードを知らなかったため、1年後、9人はシェルターから脱出することが出来ず、食料も酸素も尽きて全滅。

・・・まあなんというか、脱出コードって数字入力式だったので、総当りで入力すれば開けられたんじゃないかっていう気はするんですけどね。
10人分だったところ9人ではいったわけですから、食料も酸素も1人/365日分余っているわけですし、9人で40日ぐらいは生きられる状態なわけです。
9人が交代で10秒おきに脱出コードを入力していけば345600回も試せることになります。
後々わかることですが、脱出コードってたったの5桁でしたし、もし試していたら0から始めたとしても、9日目ぐらいであっさり開いてましたね!!
まあ、それ以外にもリアリティを感じさせない演出が多数あるものの、所詮は生徒たちの思考実験ですから、多少おかしい表現があってもそんなものなのでしょう。

さて、1回目の思考実験では全滅してしまったため、人類の存続に寄与できませんでした。
今回の結果について先生は「理性を忘れ、感情的な理由で1人の男を閉めだしたため、最悪の結果を招いた」と結論付けています。

2回目の思考実験

そんな中、新しいルールを追加して2回目の思考実験が行われます。
2回目の思考実験では各人の技能に加え、身体的特徴や嗜好が追加され、更に新たなミッションが加えられます。
新たに加えられたミッションは、「シェルター毎に必ず1人妊娠すること」です。

新たに加えられた身体的特徴や嗜好
有機栽培農家:男
ゲイ
構造技術者:女
電気技術者でもある
不動産業者:男
助産師でもある
大工:男
無精子症
オペラ歌手:女
7ヶ国語を喋れるが3年後、咽頭がんに掛かり、死なないが声が出なくなる
投資信託業者:女
宝石と金とプラチナを持っている
ハープ奏者:男
自閉症
宇宙飛行士:女
不明
化学博士:男(リアル世界でゲイ)
遺伝子的に優秀で外傷さえなければ103歳まで健康で生きることが出来る
電気技術者:男
体が骨化していく難病を患っている
ワインの競売人:女
IQが200ある
整形外科医:女
エボラウィルスに感染している恐れがある
家事労働者:男
体力があり、とても善良
デザイナー:女
左脳も右脳も発達している
ジェラート店主:男(リアル世界でゲイ)
なし
動物学者:女
保護活動の一貫でブログを書いている
心理療法士:女
12歳で子宮を摘出している
兵士:女
直観像記憶能力を持っている
アメリカ上院議員:女
最高裁判所の首席裁判官になる予定の最も有能な法律専門家
詩人:男
ポーカーの名手でトランプを持っている(後々判明)
シェルター設計者:男
なし

9人目まで決まった段階で先生が10人目を志願してしまうため、詩人と宇宙飛行士の追加項目が明らかとなりませんでした。

選ばれた生き残るべき人(理由)
  1. 有機栽培農家(農業に関する知識があるし、ゲイでも生殖機能には問題がないため)
  2. 投資信託業者(宝石と金とプラチナを持っている。更に女性で子どもが産めるため)
  3. 大工(復興には大工の専門知識が必要なため、子どもは埋めずとも必要)
  4. 構造技術者(マイナス要因皆無なため)
  5. 化学博士(技能的にも遺伝子的にも優秀なため)
  6. 不動産業者(出産時の役に立つため)
  7. アメリカ上院議員(最高裁判所の首席裁判官になる予定の最も有能な法律専門家)
  8. 兵士(直観像記憶能力を持っている)
  9. 家事労働者(体力があり、とても善良)
  10. シェルター設計者(脱出コードを知っているため)

2回目は人類復興の際、必要となる技能と子孫を残すための遺伝子的観点から選定されました。
しかし、妊娠しないという問題に直面します。
その問題に対し、複数の相手との性交渉が種の存続には必要だと先生が提案してきます。
この提案にボニーが猛反対したためと先生と対立し、これをきっかけとして争いが起こってしまいます。
先生はジャックから思わぬ反撃にあい、致命傷を負ったため自暴自棄となり、その結果シェルター内の人間は全滅してしまいます。

・・・なんというか、この思考実験の成功可否は先生の考え一つな気がします。
この思考実験が成功するか否かは先生の中にある真実通りに生徒たちが歩むか否かにかかっている気がしてなりません。

先生は2回目の思考実験の際、以下のように言っています。

「人間には欠点がある。真実より感情を信じる。だから頭の悪い人間は熱弁を振るわれると傾く、馬鹿な考えであったとしても」と。

これが先生の考えの全てを表しているようです。
先生は自らが信じる論理のみを真実とし、それ以外の答えは全て感情的(誤った考え)であると言い切っているのです。
人類が全滅するという極端な状況を想定することで、論理性以外の余地を減らし、自らの正当性を主張しようとしているように見えます。

3回目の思考実験

しかし、3回目の思考実験の前に自称ロジックモンスターにも自らが愚かと称していた感情的な面があることがバレてしまいます。
先生は、ジェームズとペトラの設定を不正に操作していたことがここで明らかとなります。
先生は意図的にジェームズに対し不利な条件を押し付け、ペトラには好条件を与えていたのです。

しかし、ジェームズには先生が何故そのような嫌がらせを自分に対して行ったのか理由がわかりません。
そのため3回目の思考実験を提案します。
ボニーには反対されたものの、ペトラの援護もあって3回目の思考実験が行われることになりました。
恐らくこの時点でペトラは先生の意図を理解したのでしょう。

3回目の思考実験における10人の選定は今までとは異なるものでした。
今までのように生徒全員で議論して選定するのではなく、ペトラに選定の全てを委ねるというものでした。
そのペトラが選定した10人が以下です。

ペトラが選んだ生き残るべき人
  1. ワインの競売人(IQが高く、気を利かせてワインを持ってきていた)
  2. デザイナー(良い服は自尊心を高めることができ、生産性を向上させることができる)
  3. 詩人(ポーカーの名手でトランプを持っている)
  4. ハープ奏者(自閉症ならではの芸術的な才能がある)
  5. 整形外科医(エボラウィルスに感染していないことを祈る)
  6. オペラ歌手(自分が死ぬとしたら音楽を聴いてから死にたいから)
  7. 化学博士(優秀な遺伝子を持っているため必要)
  8. ジェラート店主(ジャックのゲイ相手として)
  9. 有機栽培農家改め花売り(理由は明かされていないが彼氏だから?)
  10. 最後の1人は本来、兵士か大工だったのだが、大工(チップス)の機転により、構造技術者(ペトラ)

さて・・・今までとは大分様子が変わってきました。
今回の選定には先生が望むような論理的な要素はありません。
ですが、今までとは結果が異なります。
1回目や2回目の思考実験では無価値とされていた芸術や文学がシェルターで過ごす10人の心を満たし、例えどのような結果が待っていようとも、死を恐れること無く、最期まで10人は生きた・・・
最後の最後まで先生はその思考実験の結果を受け入れずに抵抗しますが、生き残った10人全員の抵抗したことにより、閉口するしかありませんでした。

結局この映画は何だったの?

私が思うに・・・正直、3回の思考実験には何ら意味があるとは思えません。
最初の2回がバッドエンドに終わったのは、結局先生のさじ加減のせいです。
3回目が一見するとハッピーに終わったのは、先生が提示するハッピーエンドの定義をペトラが無理やりねじ曲げたせいです。
では、何のために先生はこのような授業を最後の授業で行ったのか・・・

それは、「ペトラに対し自分の正当性を示すため」だと思われます。
先生はペトラの事を愛していました。
しかし、ペトラはクラスで落ちこぼれとされるジェームズを恋人として選んでいます。
先生はこれに対して納得がいっていないのでしょう。
クラス一優秀で、感情に流されない賢いはずの彼女が、このような非論理的な結論を導き出すわけがない」と。
(感情に流されるのは頭の悪い人間のすることだと2回目の思考実験で先生が自ら言っているので)
そして、自分の正当性をクラス全員の合意をもって証明しようとしたのではないでしょうか。
そういった意図が込められてるため、先生は自分が良しとしない選択を生徒たちがするたびに思考実験の結末をバッドエンドにしてしまっているのではないでしょうか。
しかし、その先生の意図に気づいたペトラは3回目の思考実験を通して自らの選択の正当性を逆にアピールします。
しかも、本来自分の考えを後押ししてくれると思っていた生徒達が全員ペトラ側についてしまっています。
このことで先生は哲学的にも恋愛的にも敗北してしまいました。

・・・まあ、結局そういうお話です。
この映画を簡単にまとめると・・・

教え子との恋に敗れた先生が授業称し、自らの正当性を主張しようとしたが逆に思い知らされてしまったお話

ということになります。

正直にいうと・・・映画のところどころに哲学のお話が登場しますが、私はあまりこの映画に哲学的なものを感じません。
もっと言えば、先生が散々口にしている論理性すら感じません。
恐らく、先生個人の人生観が前提となっている思考実験になってしまっていたからなのでしょう。
そもそも、先生自体が言うほど論理的とは思えません。
論理的であれば、先生という立場を悪用して自らの自尊心を満足させるような授業を行うとは思えません。
また、振られた女性に固執するあまり、自分の教え子に嫌がらせをするとも思えません。
結局、自称ロジックモンスターの先生ですら感情的だったのです。
(完全に振られて自殺しようと拳銃を取り出して撃ってみたり(死んでません)してる辺りからも、相当感情的な人のように思えます。っていうか未成年の教え子と関係を持ったりしてる(?)時点で既に理性的なのか!?)

どんなに論理性を装った人間でも、結局は感情によって支配されている」、そんなメッセージが込められているのかもしれませんね。

う~ん・・・考察の着地点が見つからなくなってしまいあたふたしました。
映画自体が何を言いたいのかさっぱりわからない終わり方をするので、私も考察を書いていてどうやって終わらせたらいいかわからなくなってしまいました!
・・・言い訳ですね。

まあそういった訳のわからなさから「★★」とするしかありませんでした。

しかし、ペトラは最後にエリック(先生)に「貴方は優秀な教師よ」というシーンがあるんですけど・・・
私としてはこんな先生最悪だと思いますけど!
それと・・・最後までみても「宇宙飛行士」と「不動産業者」と「オペラ歌手」の人の名前がわからない!!!!
「宇宙飛行士」の人なんて2回目以降全然でてこないし・・・(追加の特徴すらわからずじまい)
なんて映画だ!!

以上です!

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伊達あずさ
Studio POPPOのプログラム兼システム担当です。 ウォーキング・デッド大好き!ダリルかっこいいよっ!主食はキノコです。

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