エイリアン・インセプションを観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは!
エイプリルフールに何故か映画考察を書いてしまう伊達あずさです。
毎度かなり悩む映画考察なのですが、懲りずに挑む今回の作品は・・・
エイリアン・インセプション(Lost Time)」です!

いつものように作品情報から。

エイリアン・インセプション
原題:Lost Time
ジャンル:SFサスペンス
製作国:アメリカ
公開年:2014年
監督:トラヴィス・オーツ
概要:末期のガンに侵された妹ヴァレリーとヴァレリーを献身的に看病する姉のメリッサが病院からの帰宅途中、車中で謎の閃光に包まれる。意識を失っていたヴァレリーが気が付くと、車を運転していたはずのメリッサの姿は見当たらない。さらに、驚くことにヴァレリーの体を蝕んでいたはずのガンはすっかり消え去っていた。ヴァレリーは恋人のカーターと共にメリッサの捜索を続ける中で「Lost Time」の著者リード博士の存在を知る。「Lost time」にはまさに自分が体験した奇妙な現象について記されていた。ヴァレリーはメリッサの失踪と自らの奇妙な体験の答えを求めてリード博士の元へ向かった。

一応、映画の冒頭で宇宙人が登場し、全ての原因は宇宙人にありますよ的な描写があるので、SFサスペンスというジャンルは適切かも知れません。
最初は正体がわからず、結局「宇宙人の仕業でした!」的な映画には何時もひどい目にあわされている私ですが、今回は最初から「宇宙人の仕業ですよ!」と正直に言っているわけですから、ひどい目にはあわされないかも・・・
そんな期待を持って挑んだ「エイリアン・インセプション」に対する私のおすすめ度は!

おすすめ度(5段階):★★★

う~ん・・・限りなく「★★」に近い「★★★」かも知れません。
なんて言いますか・・・とんでもなくわけがわからない映画です!!
ここまで難しい映画を観たのは、「マルホランド・ドライブ」以来です。
なので、あまり皆さんにお勧めできる映画ではないかもしれませんが、内容と概要に裏切りがない点を評価して「★★★」にしました。

さて、そんな「エイリアン・インセプション」の中身について考察してみたいと思います。
ここからはネタバレを含みますので、これから見る予定がある人は「エイリアン・インセプション」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

末期の癌に侵されていた主人公:ヴァレリー
ヴァレリーの姉:メリッサ
ヴァレリーの彼氏:カーター
「Lost Time」の著者:リード博士
リード博士の仲間男:エリオット
リード博士の仲間女:メアリー
謎の老婆:名前不明

考察・感想(ネタバレ含む)

映画はヴァレリーが謎の宇宙人に脇腹から何か(虫みたいな?)を取り出されるシーンから始まります。
主人公であるヴァレリーは末期の癌に侵されているようで、かなり状態も悪いみたいです。
しかし、ヴァレリーの病状がいかに悪くなろうとも決して諦めること無く看病を続けている姉メリッサ。
そんな姉妹が、病気の経過を聞くために訪れていた病院から自宅へ帰る途中、謎の閃光に包まれ、姉のメリッサだけが忽然とその姿を消してしまうのでした。
しかも、消え去っていたのはメリッサだけではなかったのです。
ヴァレリーの体を蝕んでいた癌もすっかり消滅し、ヴァレリーは以前の健康な体を取り戻していたのです。
(更に癌治療のため失っていた髪の毛までもが急に生えてきた)

すっかり健康になったヴァレリーは恋人であり警官のカーターと共に消息不明となったメリッサの情報を集めていたのでした。
この後、ヴァレリーは宇宙人に拉致された体験を書いたとされる「Lost Time」という本の著者であるリード博士の元を訪れ、そのリード博士に紹介された「聖域」に向かうこととなるのです。
そして、ヴァレリー同様に時を失ってしまった人々と「聖域」で過ごす事になるのですが、結局「聖域」の関係者達が黒幕でヴァレリーを助けに「聖域」に侵入してきたカーターと共にリード博士達と戦うといったお話になっています。

ざっくり物語の全容を話してしまうとこんな感じですが、このお話には多くの謎が残されたままなのです。

作中に残された謎

  1. ヴァレリーとメリッサは何のために拐われたのか
  2. リード博士の目的は何なのか
  3. 話のところどころに出てくる老婆は何なのか

・・・結構物語の核心部分が良くわからないままなのですよね。
しかも、作中にヒントらしいものがあまり見当たらないのですよ。

なので、ここは一つ辻褄が合うように勝手に想像する他ないようです。

ではまず、ヴァレリーとメリッサが何のために拐われたのかについてです。
拐われる前と後で変わったことをまとめてみましょう。

確実に言えること
ヴァレリーの癌が消え去っていた
メリッサが行方不明になった
確実ではないが可能性が高いこと
ヌーボットを体内に入れられた

以上となります。

リード博士は作中で、
ヌーボットにはDNAを含む人体の情報が全て記憶される
人は進化する能力を持っており、その力はヴァレリーの中で培われ強まった
ヴァレリーのDNA情報には特別な力がある
メリッサよりもヴァレリーの方が優れた遺伝子を持っている
と言っていました。

さらに、物語のところどころに突如出現する謎の老婆も
メリッサとヴァレリーは特別な存在
と言っています。

これらのことを踏まえると、メリッサとヴァレリーを拐った際、本来メリッサにヌーボットを埋め込み戻すはずだったが、実際に調べてみるとヴァレリーの方が優秀な力を持っていたため、ヴァレリーの癌を治療した上でヌーボットを埋め込んで地上へ戻した。
という予測ができます。
しかし、この予測には少し問題があります。
なぜ、ヌーボットを埋め込んだ上で戻さなければならなかったのでしょう。
拐ってからヌーボット回収まで4カ月足らずです。
その程度だったら拐った状態で閉じ込めておいたほうが良かった気がしますよね。
う~ん・・・それにです。
メリッサだけ連れ去る必要もないですよね?
別にヴァレリーの方が優秀だったからといってメリッサだけ連れ去る必要はないはずです。
現に「聖域」にはヴァレリー以外にもヌーボットを埋め込まれている人が居ました。
であれば、メリッサにだって埋め込んでおいてもよかったのです。
そこで、辻褄を合わせるためにこう考えてみました。

  • ヌーボットが寄生した人間から情報を読み取るためには宿主が生きている必要があるのだが、人間を長期間活かしておく環境を持ち合わせていないため、ヌーボットの読み取りが終わるまで地上に一度戻す必要があった
  • ヴァレリーには特別な遺伝子が存在しており、末期の癌に侵されていたヴァレリーを生かす必要があった
  • ヴァレリーの癌を治すためにはメリッサの体が必要だった(SF的な臓器移植によりヴァレリーの癌を治した。しかし、メリッサは死亡)

これであれば、ヴァレリーだけ病気が治った状態で戻されたとしても辻褄が合うかもしれませんね。
作中でメリッサが「幹細胞を移植する治療法がドイツで行われた」と語っていることからも、人間より優れた科学技術を持っていればヴァレリーの癌治療は可能だったと推測できます。

さて次に、リード博士の目的は何だったのか。
途中に出てくる謎の老婆と顔見知りであったりすることからも、リード博士と謎の老婆(エリオットとメアリーも)は同じ種族である可能性が高いです。
しかし、作中でも言っているように、何らかの問題によって絶滅の危機に瀕しているようです。
具体的な問題はわかりませんが、「人の進化の遺伝子」が必要とされる問題に直面していたことだけは確かです。
とはいえ、普通の人間ではだめだったのかもしれません。
「聖域」にはヴァレリー以外にもヌーボットを埋め込まれているであろう人間が存在しました。
しかし、それらの人間からはリード博士が必要としている遺伝子情報を取得できていた様子ではありません。
それに、謎の老婆も「メリッサとヴァレリーは特別な存在で、今までずっと2人を観てきた」と言っています。

そこで、多少強引ですが、こんな可能性を考えてみました。

伊達が考える隠された可能性

  • メリッサとヴァレリーの母親は、リード博士らと同じ種族だった
  • 人との間に生まれたメリッサとヴァレリーの遺伝子には新たな可能性が秘められていた
  • とは言え、同族に近いメリッサとヴァレリーにヌーボットを埋め込み殺してしまうことには抵抗があった
  • しかし、普通の人間から得られる進化の情報では期待する成果が得られず仕方なくメリッサとヴァレリーを拐った

と、考えるとどうでしょう。
エリオットがヴァレリーからヌーボットを回収する際、「道義に構っているわけにはいかないのだ」と言うシーンがあります。
今まで多くの人間を殺して、ヌーボットを回収しているであろうエリオットが今更ヴァレリーに対してだけそのようなことをいうのは妙だと思っていたのです。
それに、ヴァレリーが後々、異次元(平行世界)を行き来する描写が出てきますが、そのような特殊なことができるのも、リード博士らと同種族が故のことだとすると辻褄が合うのではないでしょうか。
映画の冒頭でヴァレリーが「父親は自分と母親を避けていた」言うシーンが有ります。
これも、父親が母親とその遺伝子を色濃く受け継いでいたヴァレリーが持つ異質な能力に気づいてしまったため、距離を取ったからではないかと推測しました。

さて、最後!
話のところどころに出てくる老婆は何者なのか。

これに関しては、かなりノーヒントでした。
頑張って映画を端から端まで見なおしてもヒントらしいヒントがないのです。
唯一のヒントは「メリッサとヴァレリーをずっと観ていた」という部分です。

謎の老婆とリード博士が同種族であろうことは想像するに難くありません。
ではなぜ、謎の老婆だけがメリッサとヴァレリーをずっと観ていたのでしょう。

私の予想は・・・
謎の老婆は「メリッサとヴァレリーのお婆さんだった!」です。
もっと言えば、リード博士が夫である可能性だってあるかもしれません。

リード博士と謎の老婆の子どもがメリッサとヴァレリーの母親。
種族間を超えた愛によってメリッサとヴァレリーが生まれたため、老婆はずっと2人が暮らす世界よりも高次元からずっと見守っていたのではないかと・・・

では、これらを全部まとめてみましょう!

伊達による補間ストーリー

人間が住む次元より高い次元で生活するリード博士らの種族が居た(四次元人的な)。
その種族のとある女性はたまたま目にした次元に住む1人の男性に恋をしてしまった。
女性は自分が人間ではないことを隠して、その人間の男性と結ばれた。
その男性との間に生まれたのが「メリッサとヴァレリー」だった。
その女性の祖母である謎の老婆は、2人の孫をずっと高次元から見守っていた。
しかし、そんな中、この種族の間で謎の病が流行する。
その病による致死率はとても高く、種族は絶滅の危機に瀕してしまった。
この病によってメリッサとヴァレリーの母親も死亡してしまう。(作中でも病気で死んだと言われています)
種族の絶滅を防ぐため、人間の進化遺伝子を解明し、病に対向する研究を始めたリード博士が、人間を連れ去りヌーボットを埋め込んでいた。
しかし、思ったような成果を上げることが出来ず、リード博士の研究は頓挫する。
そんな中、リード博士は遂に最後の手段を講じる。
それは、自分の孫でもある「メリッサとヴァレリー」の中にある遺伝子情報を入手することだった。
メリッサとヴァレリーはリード博士らの種族と人間の種族の混血であるため、自分たちの種族に適応した人間の進化遺伝子を持っている可能性が高かった。(リード博士も「人は進化する能力を持っており、その力はヴァレリーの中で培われ強まった」と言っているので)
当初は健康体であるメリッサから遺伝子情報を読み取る予定だったが、2人の遺伝子情報を簡易検査してみたところ、ヴァレリーの方がメリッサに比べ遥かに優秀な遺伝子(リード博士らに近い)を持っていることが判明した。
そのため、メリッサの体を犠牲にしてヴァレリーの体を治療し、ヌーボットを埋め込み地上へと戻した。
ヌーボットの回収はヴァレリーの死を意味する。
種族の絶滅を回避したい一心でリード博士は同族に手をかけるという禁断の選択をした。
しかし、祖母である謎の老婆は絶滅という自分たちの運命を受け入れ、孫を守る選択をした・・・と。

かなり強引な予測になってしまいましたが、謎の老婆がヴァレリーに対し「あなた達が扉を開きこちら側へ来るまで待つ」と言っていることからも、何れ自分たちと同じ力に目覚める時が来る事を示唆している雰囲気があるので、このような可能性もありえるのではないかと考えました。
なんというか作中にヒントらしいものがあまりに少ないため、かなり多くの部分を想像で埋めるしかなくなってしまいましたね。
実際、ヴァレリーが癌に侵されていた時も、治った後も、デジャブのように過去や未来の記憶を思い出すシーンがあるので、無意識に他の次元を覗き見る能力が備わっていたのかもしれません。(自らの力で次元間を移動することまではできずとも)
メリッサはそんなことをしている様子がなかったので、その点でメリッサよりヴァレリーの方が優れているとされたのかもしれません。

う~ん、こんな考察でいかがでしょうか!!

こう考えると、「エイリアン・インセプション」っていうタイトルどうなんでしょうね・・・
そもそもリード博士らをエイリアンとしていいのかすらよく分からなくなってきました。

あ~本当に難しい映画でした・・・
以上です。

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