アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界を観た感想と評価:映画考察

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皆さんこんにちは!
ゾンビ大好き伊達あずさです。

前置きもそこそこに今回紹介する映画は・・・
アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界(CONTRACTED PHASE 2)」です。

いつもの様に作品情報から。

アフターデイズ・ボディ
彼女がゾンビと化した世界

原題:CONTRACTED PHASE 2
ジャンル:サスペンスホラー
製作国:アメリカ
公開年:2015年
監督:ジョッシュ・フォーブス
概要:主人公ライリーはレズビアンの美女サマンサに叶わぬ恋心を抱いていた。そんなサマンサから突然の呼び出し。しかし、サマンサはどこか様子がおかしく、そして、酷く怯えていた。いつもなら全く相手にされないはずの自分に何故か彼女はすがりついてくる。すっかり有頂天となったライリーは、その場の勢いでサマンサが望むまま関係を持ってしまう。これがその後、彼の身に振りかかる災いの引き金だったのだ。何故なら彼女はこの時既に強い感染力を持つゾンビと化していたからだ。ライリーがゾンビになるまでの3日間の戦いが始まる・・・

というわけで、この作品は「スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間」の後日談となっています。
よって、物語は4日目(前作が3日間のお話なので)からスタートしています。

そんな、「アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界」に対するおすすめ度は・・・

おすすめ度(5段階):★★★

前作より★が1つ増えています!
前作は前作で「ゾンビになってしまうまでの物語」と言う、ありそうでなかったゾンビの要素にフォーカスを当てた斬新なお話ではあったのですが、外堀が雑だったといいますか・・・ゾンビの正体やサマンサがターゲットとなった理由、黒幕BJの目的など曖昧過ぎる部分があまりにも多すぎたのですよね。
まあ、通常のゾンビ映画とは異なる路線なわけですし、その辺は敢えて犠牲にしたのかもしれませんがあまりにも多くの謎が残ったままだと観ている方はいまいち釈然としないものです。
そんな前作の不満を解消するのが今作品なのです!

・・・の、はずだと思うのですが、この作品って本当に前作を作成した時点から考えられていたことなのでしょうか。
何となく、昨今のゾンビブームに乗じ、既に話題性があった作品を後付エンハンスしちゃいました感が否めないというか・・・
監督さんも代わっちゃってるみたいですしね。
まあでも、前作同様、わらわら系ゾンビとは異なる系譜をちゃんと継承していますし、今作はゾンビ映画としてもまずまずの構成になっています。
前作の続編として期待する人にも、ただのゾンビ映画として期待した人にも、期待を裏切らないであろう作品となっていることを考慮して「★★★」評価とさせていただきました。
ただ、完全に前作の続きから始まるので、可能ならば単独で本作品から・・・より、前作から順に観たほうがいいと思いますよ~

ここからはネタバレを含みますので、これから観る予定がある人は「アフターデイズ・ボディ 彼女がゾンビと化した世界」を見終えてからにしてくださいね!

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<以下ネタバレを含みます>

登場人物

主人公:ライリー
前作の主人公:サマンサ
ライリーの姉:ブレンダ
ライリーの母:マージー
マージーの介護士:ハーパー
指名手配犯:ブレント・ヤフィー(BJ)
ヤフィーの担当刑事:ヤング
ブレンダの夫であり医者:ジェームス
違法品販売人:ゼイン

考察・感想(ネタバレ含む)

さてさて、何故前作は蘭丸さん担当だったのに今作は私が考察を担当しているのか!
作品を観始める前は蘭丸さんも考察を担当するつもりでいたのですが、映画を観進めていく中、私の中でとある疑問が浮かんでしまったのです。
観賞後、私がその疑問から生まれた推論を蘭丸さんにぶつけてみたところ・・・

今回は貴方が考察を書きなさい!(良い意味で)

と、一方的な考察交代を宣言されたのでした。
ちなみに「(良い意味で)」という部分はあくまでも私の勝手な脚色です。あしからず。

では、私は一体この作品の何にそこまで疑問を抱いてしまったのでしょうか。
今回の考察はその疑問に着目していきたいと思います。

ゾンビ化の感染原因は何なのか

突然ですが、ゾンビ作品を良く見る私の主観でゾンビの感染原因ランキングを作ってみました。

第3位:頭部が無事な状況でとりあえず死ぬ
主に、呪術的・魔法的な要素で突然出現した系のゾンビの感染方法に多い気がします。
オールドタイプのゾンビですね。
昨今のゾンビ映画のように科学的なバックグラウンドを持たず、オカルト的なホラー映画だった頃に多い感染方法です。
とりあえず頭部が無事な状態で死ねば、何故かゾンビになります。

第2位:環境変化により自然発生する
太陽から悪いものが出てきたり、地球に落ちた隕石から正体不明の細菌が地球にばら撒かれたりと原因は様々ですが、地球環境の変化によってゾンビが自然発生してしまうパターンです。
こういう世界では、それに対する耐性を持った選ばれし人々のみがゾンビとならず生き残ります。
でも、ゾンビにやられることで、やっぱりゾンビ化してしまうハイブリッド型のときもありますね。
ちなみに、この手のゾンビは結構元気に走り回る傾向があります。

第1位:ゾンビに傷つけられる
古来より、吸血鬼、キョンシー、ライカンスロープしかり、その病状の者から傷つけられることで感染するという言い伝えは数多くあり、ゾンビ作品の多くはその伝説をホラー要素として取り入れてきました。
この感染手法は、昨今のゾンビ化における主力原因「ウィルス説」の出現と共に科学的なレベルにまで上り詰め、オカルト的ホラーからより現実的なホラーへと変貌を遂げました。
以前の初期発生ゾンビは神秘的な力でただの死体から生み出されていましたが、現代における初期発生ゾンビはゾンビウィルスを直接投与される、あるいはゾンビウィルスが不慮の事故によって漏れだし、ネズミ等の動物、あるいは水処理施設などを介して人に感染することで生まれます。
当然、ゾンビ化した人もこのウィルスを保有しているため、ゾンビによって傷つけられてしまった場合でも同様に感染します。

と、まあこんな感じで良くあるゾンビ作品では「ゾンビに傷つけられる」というのが感染の原因No1です。
ですが、この「ゾンビに傷つけられる」という線引が作品毎に非常に曖昧なのです。
ゾンビ作品というのはどうしても、ゾンビとの戦いがメインとなってくるため、感染力があまりに厳しいと、戦闘描写に著しい制限が加わってしまいます。
よって、戦闘描写が多いものであれば「噛み付かれさえしなければOK」などというかなりアバウトなものとなり、ヒューマンパートが多い作品では「ゾンビの血液を浴びただけでNG」なんていう厳しいものまで多種多様です。

では、この作品はと言うと・・・ライリーはゾンビサマンサに爪で引っかかれてしまっていますし、映画終盤でゾンビ症状(病院でBJと遭遇する前に具合が悪そうだったり、目が充血し始めていた)が出ていたヤング刑事はBJのアジトを探索中に遭遇したゾンビの血液を浴びてしまいました。
映画の最後にお腹の赤ん坊ごとゾンビ化していたブレンダに関しては、ゾンビ化しつつあったライリーの血液を摂取してしまったからでしょうね。
ですが・・・問題はここからです。
では、ハーパーとマージーは一体何故ゾンビになってしまったのでしょうか

ハーパーのゾンビ化については、「ライリーとバーでキスしてしまったからだ!」と自身の推測を述べていますが、もしそれが本当だとするとハーパーのゾンビ化進行度はあまりに速過ぎる気がするのです。
ハーパーとライリーがキスしたのはヤングが血液を浴びたのとほぼ同時刻です。
にも関わらず、ヤングはまだまだ初期症状、かたやハーパーは目玉が取れるほどの進行度・・・これはおかしい!
つまり・・・ハーパーはライリーとのキス以前に感染していた可能性が非常に高いはずなのです。

そこで最も疑わしいのがマージーです。
そもそも、マージーは何故ゾンビになってしまったのか。
もっとも怪しいのは「お酒の回し飲み」です。
4日目、ジェームスによる診察から帰ったライリーは、自宅で「気つけ」と称されたアルコール濃度が高いお酒をマージーから勧められます。
マージーはライリーが飲みきれなかったお酒を同じグラスのまま、「情けない」と言いつつ飲み干してしまいます。
その翌日、マージーの口唇にはヘルペスが・・・
実はこれはヘルペスではなく、ライリーからの感染を示すものだったのではないでしょうか。
その際、マージーの介護を行っているハーパーはマージーのヘルペスを治療しています。
ヘルペス治療程度であれば素手で行ってしまった可能性が高い・・・これによりハーパーが感染したのだとすれば、マージーの感染タイミングは半日以上早まるため、ヤングよりもゾンビ化が進んでも何ら違和感がなくなります。

ここから導き出された可能性は・・・「間接キスやゾンビ化患部への接触程度ですら感染する」という衝撃の事実なのです。
しかも、感染原因となる物質は濃度が高いアルコールを介しても感染可能なわけですから、ライリーがハーパーと寄ったバーで彼らが使用したグラスだって相当危ない。
きっと、通常の洗浄方法で処理した程度では次にそのグラスを使用した人への感染は防げないかもしれない!
そうなってくると、これはもうゾンビ映画史上かつて無い程の感染力を持っているといっても過言ではありません!

サマンサやライリーの体内から出てきた蛆の侵入経路

虫好きの蘭丸さんが映画を観ている中、ひっきりなしに気にしていたこと・・・それは体内から突如出現するウジ虫です。
ウジ虫というのは蝿が腐肉などに産みつけた卵から0.5日から1日程度で孵化し、ウジ虫となるらしいのです。
ところが、ゾンビ化が進むライリーは一見すると表面に傷もない体内からウジ虫を引きずり出しているではありませんか。
これはどういうこと!?

考えられることは2つです。
1つはアフリカ等に生息されているとされるマンゴーフライ(プチフライ)と呼ばれるハエです。
彼らは外に干す洗濯物などに卵を産み付け、それを着た人間の体温で孵化、毛穴より体内に侵入し、人肉を食しつつ成長するという恐ろしいハエです。
これなら皮膚表面には外傷がなくともウジが湧いてしまいます。
というか、むしろ、ゾンビでなくても湧いちゃいます!
でも、アメリカにマンゴーフライが生息している何て言う話は聞いたことがありません。

2つ目は傷口で孵化したウジ虫がその後、体内を進み続けた。
これが真実ならまるで芽殖孤虫の様です。
しかも、ライリーは最初の傷口(背中)からかなり遠い部位(左手首)からウジ虫を摘出していました。
え・・・背中から手首までウジ虫が体内を食べ進んだの!?
もし本当にそんな状態なら、ウジ虫の通り道によって、とっくに腕なんて取れちゃってると思うんですけど・・・

さて・・・では何でこんなことに・・・
もしかすると、この虫って実はウジ虫じゃないんじゃ・・・
それどころか、実はこの虫こそがゾンビ化の正体なのではないかと私は考え始めました。

何故ブレント・ヤフィー(BJ)はゾンビ化しないのか

そして、いよいよ最大の疑問です。
前作の主人公サマンサがゾンビ化する原因を作ったBJことブレント・ヤフィーですが、彼はゾンビ化の感染源でありつつも自身は人として正常な容姿を保ち続けています。
少なくとも、サマンサやライリーが3日足らずでゾンビ化したにも関わらず、ブレント・ヤフィーは登場から6日経っても普通の人間にしか見えません。
これはなかなか興味深い。
一見しただけではわからない潜伏期間からの感染というならいざしらず、6日経ってもへっちゃらだったブレントはどう考えても潜伏状態ではありません。
仮にウィルスの抗体となるような薬を持っていたのだとして、体内のウィルスを活性化しない限界ぎりぎりまで死滅させるとかそんな微妙な制御って可能なものなのでしょうか。
そもそも、そんなことをしてしまったら肝心の感染力(発症率)に不安が生じてしまいます。

そこで考えたのが・・・例の虫(寄生虫)説です。
ブレントは体液などに溶け込む、ゾンビ化の原因となる虫の卵を自身の体内に保有していた。
しかし、薬を飲むことで卵の孵化を抑制することが出来る。
卵から孵化しない限りは人体に影響が出ない。
という説は如何でしょうか!
まあ、このままだと卵がブレントの体内からやがて自然排出されてしまいそうなので、ウジ虫の幼生生殖の様に、卵の状態でも増殖可能という条件が付けば最高ですけど・・・生物学的にちょっと無理があるのかな?
素人の私にはちょっとわかりかねます!
まあ最悪、卵状態での増殖は無理で幼生生殖までが限界だったとしても、定期的に虫の卵を摂取すれば何とかなりそうです。
ですが、その場合、卵としては増殖できないのですから、感染させる方法が限定されてしまう(体中の体液隅々に卵が居るとは限らないため)かもしれませんね。

このように、ゾンビの原因が例の虫によってもたらされるものであるとするならば、体内から突如虫が湧く(感染者の体液、血液に卵のまま潜伏し、好きな場所で孵化)ことも、ブレントがゾンビ化を抑制しつつも、感染力のみ保有する理論の説明も同時にできるので結構都合が良い説なのではないでしょうか。
実際、寄生主を水場へと誘導してから殺す寄生虫なんかも居たりしますし、この寄生虫が寄生主を捕食する(腐食させる)段階で脳活動に異常をきたす様な物質を分泌したとしても何ら不思議ではないと思うのです。

しかも、寄生虫であれば、DNAの構造がウィルス程単純ではないでしょうから、突然変異なども起きづらいでしょうし、感染対策さえしっかりと押えておけば、生物兵器としての有用性(信頼度)は非常に高くなるんじゃないかな?

今作では謎のまま終わったこと

  1. ブレントは自らに爆弾を巻く程の危険を犯してまで、警察のマークが厳しいライリーに会いに行った理由
  2. 最後の最後のシーンでブレントに話しかけている老人の正体

1に関してですが、良く良く考えてみると、この作品中でゾンビ化しているのは全て女性だけです。
もしかすると、ブレントは男性がゾンビ化にどの程度耐えられるのかデータが欲しかったのかもしれません。
ついでにライリーの死体を運び出して、サマンサ同様詳しく調べたかったのかも?
そう考えると、やはりゾンビ化症状が出ていないブレントは感染方法が限定されている(性交でしか感染させられない)のかもしれませんね。
ブレントが同性と性交する趣味がなく、直接男性のゾンビを作れないとなると、ブレント(ないし、謎の老人)にとって、2次感染による男性ゾンビは貴重だったのかな?

2に関しては、もしかするとペトリーノ記念病院の関係者(院長クラス)ではないかと考えています。
恐らく、冒頭でサマンサの死体を解剖していたのもこの老人でしょう。
ということは、彼にはゾンビ化した死体から何らかのデータを得る必要があると考えるのが妥当です。
ゾンビ化した死体をどうやったら怪しまれずに入手できるか・・・そう考えた時、感染者を受け入れている病院の関係者というのは非常に都合が良いではありませんか。
ニュースでもこの事件に関する患者はペトリーノ記念病院に隔離中と報道していました。
であるならば、明らかにこの患者の症状が見られるライリーやハーパーがゼインの家で警察に確保された際に運び込まれた病院もまたペトリーノ記念病院のはずです。
ハーパーが死亡した際、当たり前の様に完全防備の集団に死体が受け渡されたのも、ブレントが容易く医者になりすましてライリーに近づけたのも、内部の手引があったが故と考えれば、一見不自然に見えていたこれらのことも、何らおかしなことではなくなってくるのです。

まあでも、今回は前作と違い、明らかに次回作がある雰囲気を醸し出していましたから、これらのことは追々明らかになっていくのでしょう。

まとめ

と言った感じで、前作の考察を担当した蘭丸さんとは全然違う映画考察となってしまいました・・・
映画を観ている最中、寄生虫マニアの蘭丸さんがあまりにも「この映画を作った人は虫のことが何もわかってない!!」とお怒りだったので、私なりに映画側に立った弁明考察を考えてみた次第です。
しかしながら、こんなに感染力が高いゾンビだと接近武器で戦えないため、私個人としては非常に困ります。
どうか、この映画のようなゾンビの世界だけは勘弁して下さい。
以上です!

おまけ

本作品中でゾンビ化していなかったジェームスも、感染後のブレンダと関係を持ってしまっていたため、恐らく助からないでしょう。
そう考えると、前作から名のある人物はことごとくゾンビになってしまっているわけなのですが、どういうわけかゼインだけ無事なんですよね。
サマンサの時も、ライリーの時も結構酷くなってから接触を図った人物だというのに、ずいぶんと運が良いですね。
ライリーに銃を突きつけられてブレントの事を問い詰められた際、何かを隠している雰囲気がありましたし、実は重要人物だったりして・・・

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